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一極集中の不安

経営セミナーなどでもよく言われますが、リスク回避の鍵は「リスク分散」です。

例えば、取引先がたった1社しかない場合は、年間1億円の売り上げをくれたとしてもリスクは高い状態です。その1社が倒産したら、共倒れになってしまいますからネ。貯蓄や投資にしてもそうです、一つの銀行や会社に全額ではなく、いくつかに分散しておくとリスクが低くなります。

そういった視点から見て、日本の「東京一極集中」はどうでしょうか? 世界で最もリスクが高い都市と言われる東京に一極集中。東京に万が一、大地震が来たら、日本はどうなってしまうのでしょう…(そうならないことを願います!)

遥か昔、まだ大学生だった時、ドイツ現代史のクラスを取っていたのですが、ドイツでは政府の各省庁を違う州や都市にあえて分散していると習い、驚きました。理由はまさに、「リスク管理」。あの、まだテレビ電話は全くなく、インターネットも会議ができるレベルでは全くなかった時代に、ドイツ人は「リスク管理のための分散」を実践していたのです。

例えば… ・補償庁 ヘッセン州 ・環境庁 ザクセン=アンハルト州 ・移民・難民庁 バイエルン州 ・国土庁 ノルトライン=ヴェストファーレン州 ・自動車庁 シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州 といった具合です。

(昔と比べて、状況や背景は変っているかもしれません)

さらに、これは最近知ったのですが、ドイツは首都機能も2つの都市、ボンとベルリンに分散しているんですね。

この点に関して、元?駐日ドイツ大使のペーター・ロンドルフさんが、日本の国土交通省との対談で、分散によりかかる費用は年間900ユーロ(日本円で約10億円)だと話されていました。その主な内容は、会議のための出張費とのこと。対談が行われた2009年の段階で、テレビ会議などを積極的に取り入れてコストを削減していこうとしていると話していらっしゃいましたが、新型コロナウイルスが流行している2020年は、もう出張費は限りなく削減されているのではないでしょうか。

リモートやネット会議が急速に進行したこのコロナ禍が、逆に日本にとって未来を救うきっかけとなることを願います。

東京に集中しているさまざまな会社も、青い海が見えるビーチサイドや緑が美しい森の中への移転したり…そんな未来も待っているかもしれません。

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