魂を訳す

​日英は直訳では伝わらない。

―― グローバル化が進む現代、翻訳依頼は増加し続けていますが、「ピンと来ない日本語」も多々見られますね。2人はどのようなことに気を付けていますか。

リチャード日英の場合は、もちろん大前提として「正確な翻訳」であること、そして同時に、2つの言語の文化的背景や発想、表現なども考慮した翻訳が必要になります。読み手の心に届かなければ、せっかくの訳文が真の意味で「訳されていない」ことにもなりかねませんからね。原文の魂の部分を訳していくことが大切です。

るー翻訳された文章が心に響かないのは、英語と日本語では文法や構造、文化があまりにも違い過ぎるためというのもあります。その要素も丸ごと含めた絶妙なバランスの翻訳が必要です。ただしこれは広告や書籍、雑誌などの場合ですね。契約書類などの翻訳では、原文に忠実に沿った翻訳になるでしょう。

―― 時に「奇妙な日本語/英語」になっている訳文もありますね。

るーそうなのです。これはやはり「訳者はコピーライターではない」ということを、クライアントの方々もそろそろ知っておかなければならないと思います。ウェブサイトや広告は、いわば”営業マン”ですから、分かりやすく、キャッチーな仕上がりになっていないとダメです。しかしながら訳者は翻訳のプロで、コピーライターではありません。洗練化と最強化を図るには、やはり英語が分かるコピーライターを入れるべきでしょう。そのため弊社では多くの場合、訳者とバイリンガルチェッカー、そしてバイリンガルコピーライターの3人が翻訳に携わります。

Richard Dorf

​日本語→英語担当

​リチャード・ドルフ

Ru Inomata

​英語→日本語担当

​猪股るー

​日本語と英語文の違い

―― 翻訳の際、2つの言語の違いを感じますか。

リチャード私が感じる日本語文の特徴は「曖昧さ」です。日本語では単語や情報が割愛されている割合が英語より多いのです。もちろん英語でも必要に応じて簡潔で曖昧に表現する場合がありますが、日本語の文章は「既に提供された情報で、十分に行間が読めるだろう」という前提でストーリーが進む傾向があります。そのため英語と比べて、主語他、さまざまな情報が省略されることが多くなります。

るーなるほど。そういった意味では、英日よりも日英翻訳の方が大変そうですね。

リチャードそう思います。この曖昧さのおかげで、英語らしい明確な英訳文を作るための情報が欠けていることが多々あります。よって、英語ネイティブの読み手にとって自然な文体、かつ理解しやすい英訳文に仕上げるには、日本語の行間で言わんとしている情報や趣旨を訳者が見つけ出さなければなりません。推測したり背景情報を検索したりして、行間の隙間を埋めていく必要があります。

 

るーなるほど。私が感じている違いは、英文は長い文章になっても分かりやすい点です。一方で、日本語は長い文章になると分かりにくくなります。その理由として挙げられるのは、文章構造の違いです。英語の文法では重要な要素が先に来ますよね。例えば「I go」「I don't go」など早い段階で結論が分かり、話の方向性が頭の中で定まります。ところが日本語では「行きます」は文章の一番最後。それどころか「行きま…せん」のように最後まで聞かないと、行くか行かないかすら分からない。そのため日本語では、長い文章はより難解になる傾向があります。

 

リチャードそれは興味深いですね。どのように解決するのですか。

るー:つなぎにつないだ長い英文は、日本語に訳す際は2~3文に分ける必要があります。すると分かりやすくなります。あとこれは違う話ですけど、英語は会話の時も含め、固有名詞好きですね。「ユミコが」とか連呼されても「え?誰?」みたいになるので、日本語では「その同僚が」など、時折言い換えると読み手の脳の負担が減ります。

―― 翻訳の仕事は楽しいですか。

リチャード英日と日英翻訳それぞれ別の困難、時に混乱(笑)がありますが、そこをどうするか知恵を絞るのが翻訳業の醍醐味です。

 

るー本当ですね。ぴったりの単語は何か、最も自然な言い回しは何か、どうすれば読み手の心を揺さぶられるか、答えを見つけるまではとても苦しいのですが、見つけた時の快感はたまりません。

 

リチャード長年翻訳に携わっていますが、私は今でも仕事のたびに「なんてやり甲斐のある仕事だろう」と感激しているんですよ。翻訳業は刺激的で、奥深く、いつまでも学びが続きます。

るーその気持ち、分かります。単語一つ一つに情熱を注ぎながら、クライアントも読み手も、そして私たち自身も幸せになるような翻訳をしていきたいですね。

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