

ゲールが出した宿題「理想の男性を描写する」
~「働く女性のLife Designマガジン アヴァンティ」に連載中のコラムより~ 前回に続き、今回もマリッジカウンセラーのゲールが私に課した「宿題」について書いてみよう。瞑想、体操、趣味作りなどさまざまな課題の中で、最も印象に残っているのが「理想の男性像を紙に書き出す」というものだった。「髪の色、髪の長さ、肌の色、背丈、爪の形、癖、年齢、子どもの有無、どんな職業・趣味を持ち、どんな性格かなど、全て細かく、まるで実在する人を描写するようにね」。 「えー! 夢物語でもいいの?」と私はふざけた。するとゲールは「そうよ。夢物語でいいの。現実に可能かどうかは絶対に考えないで」と念を押した。 当時の夫は金髪でぽっちゃり体型の白人だったが、私のノートには黒髪ですっきりとした長身の男性が描かれた(夢物語だから、いいよね!)。そのときは何も考えずにゲールに提出したが、数日して、ある考えが頭に浮かび、消えなくなった。それは「夫は私の理想の人ではなかった…」という、目をつぶっていたかった事実への気付きだった。見た目だけじゃない、性格も、何もかも…。この日を境に、私の


ひしひしと感じる、機械化――失われゆく仕事
機械化が進むアメリカのサービス業。単純なものから、次々と人間の職が失われて行っている。


いつでも日本のために
「仕事をするとき、いつでも日本のために、そして誰かのためになれるように心掛けている」と言ったら、デザイナーさんに笑われてしまいました。
確かに理想論ですよね。分かっています…でも、いつもいつも私の心の中にはその思いがあります。原稿を書くときや何かを編集するときも「これを読む人がひと時でも日常の疲れを忘れて楽しんでほしい」と思いますし、日本企業のお手伝いをするときは、全米で大ヒットして日本を潤してほしいと思います。
このような気持ちが強くなったのは、以前、取材させていただいた台湾のおじいちゃん、おばあちゃんの影響です。日本の植民地時代に教育を受けた「日本語族」と呼ばれるおじいちゃん、おばあちゃんは、今でも流ちょうかつ美しい日本語を話されます。時に難しい詩を詠われ、その意味が分からないでいると、「自分の国の言葉をもっと大切にしなさいよ」と諭されます。「日本語は美しいよ、日本語を、日本を守ってよ」と。そんなおじいちゃん、おばあちゃんが口をそろえて「日本の教育は素晴らしかった」とおっしゃいます。なぜって?常に「公」を考えて行動するように教


大特急便、シンプルなウェブサイト
「大急ぎで」「シンプルに」という2つが、今回ウェブサイト制作をご依頼いただいたTeleCommunications様からのリクエストでした。
大急ぎに、と言われても、シンプルにと言われても、どうしても手間暇かけたいのが私たちです。それで張り切って朝一番から夜中まで丸二日間かけて突貫制作したデザイン初案を3つも提出!私が言うのもなんですが、いずれのデザインもシンプルながらもウェブ先進国アメリカの最先端の要素を取り入れた惚れ惚れするような、クールなデザインでした。
これならきっと喜んでくださるよとスタッフとやつれ切った顔を見合わせて、それでも喜びいさんでお客様に提出しました―――が、お客様からはなかなかお返事がありません。急ぎだというのに…。
夕方になって「お早めにお返事いただけないと、期日に間に合いません」と急かすと、とても言いにくそうに「どれもあまり…。もっとシンプルであっさりとしたものにしてほしい…」とのお返事。
がっくり…。
心を込めて力尽きるまで精いっぱい制作したものだったので、大げさではなく、しばら


1921年のトランスクリエーション――イギリス人に翻訳された源氏物語
イギリス人東洋学者アーサー・ウェイリーによって英訳され、1921年と1923年に出版された「The Tale of Genji」は、西洋の人々を非常に驚かせました。それまで自分たちこそ文明の最先端にいると信じていた彼らにとって、この感情表現豊かな物語が極東の小さい島国の、しかも女